僧正遍昭の百人一首の歌について
2026.09.10
こんにちは 吉田順一教育研究所です。
先日(9月8日)読売新聞の朝刊一面のコラム「編集手帳」で百人一首の僧正遍昭の歌「天つ風 雲の通ひ路 吹き閉じよ をとめの姿 しばしとどめむ」を古今集の詞書(ことばがき)のエピソードとともに紹介していた。問題は「雲の通ひ路 吹き閉じよ」の部分の意味を「雲を集めて通り道をふさいでくれ」としていることである。もとの表現の通りに辞書的に読めば(をとめ=天女 の)雲の通り道を(風が)吹いて閉じてくれというのが教科書的な解釈である。「吹き」(連用形)「閉じよ」(命令形)で、「集めて」というニュアンスは元の古語にはない。独自の解釈というしかないのだが、大手新聞社の有名なコラムの内容であるだけにこれを読んだ中高生などが「そういう内容の歌なんだ」と思ってしまうことを恐れる。ここでもやはり問われるのは権威ある新聞の記事であっても本当に正しいのかを疑うリテラシー能力ということになるのだろう。