中学受験と高校受験、どちらを選ぶか(その1)
2026.04.09
首都圏では公立小6年生の20%程度が中学受験の塾に通っています。地域によっては5割に迫る小学校もあるといわれます。本来義務教育である中学生の段階で私立に通う経済的な負担は子供の学費にとどまらず、海外研修や親同士の交際費など多岐に及びます。それでも私立の広い意味での良い環境、更に進学実績に期待するからこそ、私立中受験には根強い支持があるのだと思います。
首都圏私立中学入試の王者はやはり開成中学でしょう。進学実績の大きな指標である東京大学の合格実績は2026年197人(現役142人)で、卒業生数に占める現役での合格率は約34.5%に及びます。もちろん、大学受験の難易度で東大理系に匹敵する国立大医学部や京都大も併せて考えるべきですが、それでも首都圏において他を圧倒する合格実績であると言えるでしょう。その開成中高の卒業生は約400人ですが、その内100人は高校からの入学生です。つまり、高校受験の段階では首都圏の公立トップ校と競合する関係にあります。都立の東大合格数トップは日比谷で67人(昨年81人)、神奈川県立の東大合格数トップは横浜翠嵐で41人(昨年74人)でいずれも名だたる私立進学校に引けを取りません。
高校受験で私立や国立附属の志望者と上記トップ校に、どの程度の競合関係があるのかを明確に示す指標はありませんが、2020年代にある高校の入学者(約320人)にどこを併願して合格したかを任意で調査したところ、その学校では開成20人弱、国立大付属130人、早慶附属150人(重複含む)であったそうです。さらに受験者自体に私立中、国立附属中出身者が多数含まれている事実があります。
教育は投資であるという考え方があります。子供たちに様々な体験をさせ、才能を伸ばし、可能性を広げてあげたい。そのためには親としてできる限りのことをするという気持ちが根底にあると思います。その一方で、親子共に中学受験には多くの時間と労力がかかるのも事実で、小学生には小学生の時にしかできないこと、感じることがあります。また、成長の度合いや何かを始めるのによいタイミングも人それぞれです。
普通に公立中学に進学し都立高校を中心に受験するとき、受験準備の中心は教科書レベルの内容が基本で特別な訓練は必要ではありません。中学受験では教科書の内容を超える知識や、いわゆる「地頭の良さ」を問われることが多いのと異なります。都立高校では進学指導重点校7校(日比谷、西、国立、戸山、青山、立川、八王子東)進学指導特別推進校7校(新宿、国分寺、町田、駒場、国際、小山台、小松川)のほかに、進学指導推進校16校(日野台、武蔵野北、小金井北、調布北、昭和など)が指定されています。このうち進学指導推進校は入口では内申がオール4程度でも多数が合格する入試レベルですが、卒業の段階では、中学受験でも付属校の人気が高いMARCH(明治、青山学院、立教、中央、法政)の各大学へは卒業生の半数から3分の1程度が合格しています。(つづく)