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令和7年 都立高校入試のトピックス(その1)

2026.04.18

令和7年 都立高校入試のトピックス(その1)

追加合格と二次募集

 はじめに、「追加合格」とは正式な合格発表を行った後に予定していた募集人数に手続き者が満たない場合に追加の合格者を(個別に)通知することである。私立高校入試では一般的に行われ、これを「繰り上げ合格」とか「補欠合格」と呼ぶこともある。他校に入学金を収めた後に志望順位が上位の学校から「追加合格」の通知を受けると入学金などを二重に払う負担が生じる。そのため、正式な合格発表の際に追加合格の可能性がある生徒に対して、「補欠候補」として番号や(成蹊、慶応女子など)A、Bなどのランクを付して(早大学院、慶應義塾など)発表することもある。それに対して都立高校の場合はあらかじめ辞退者を見込んで合格発表を行うことは私立高校と変わらないが、手続き者が募集人数に達しない場合は二次募集となる。不合格者から欠員を繰り上げて合格とすることは行わないのである。したがって、都立高校で「追加合格」がでるのは例外的な措置である。本年日比谷高校と目黒高校で追加合格が生じたことが東京都教育委員会から発表された。

日比谷高校で24名の追加合格 目黒高校でも4名の追加合格

 日比谷高校では3月2日の合格発表日、外部からの指摘で数学の関数の問題に別解があることが発覚し、受験生全員に一律8点を与えることとした。この結果合格判定ラインを24名が上回り、当初発表の270名に加えて追加合格としたものである。目黒高校の場合は答案の開示請求(不合格者は3月5日以降申請)に応じるための確認作業中得点の記入の誤りが見つかり、受験者全員を点検した結果同様の4名が追加合格となったものである。開示請求により採点ミスや集計ミスが発覚したことは過去にもある。合否の判定や採点のミスはあってはならないことである。学校間で交換採点を行い答案を点検するなど、学校側も慎重に対応しているが、別な見方をすれば、東京都の情報開示の姿勢が救済につながっている点は評価すべきであろう。

 今回の日比谷は対象人数が多いため教員が分担して家庭訪問し、事情説明と謝罪を行ったという。その際、追加合格の人数が多いため、次年度の募集人数への影響がないかと質問したある生徒に対して、来年への影響は無いようにしたいという旨の説明があったと聞く。私立高校においては入学者が予定を大幅に上回った場合、助成金の関係もあり翌年合格者を絞ることがある。都立の場合、募集定員は学校側が決めるわけではないので、実際には今年10月の東京都教育委員会の発表を待つことになる。なお、日比谷は繰り上げ合格を含めた最終の入学手続き者が271名であった。もともとの募集人数が253人であるため、24名の追加合格を行わなければ二次募集となった可能性があったことになる。

戸山が二次募集 全日制普通科で25校が二次募集実施

 前述の通り、都立高校においては合格発表後に欠員が生じた場合は二次募集となる。二次募集は自校作成入試校も英数国の三教科の共通問題で行われ、テストと内申の比率が6対4となる。戸山は募集定員252名に対して396名が受験し、259名を合格者として発表したが、入学手続き者が251名にとどまったため1名の二次募集となったものである。二次募集には47名の応募者があり、6名が合格し入学した。

 因みに入学手続きの段階で欠員が生じても二次募集を行わなかった学校もある。東大和、成瀬などであるが、これらの学校はインフルエンザなどを理由とする追試験(二次募集と同日実施)で充足の見込みであったために二次募集を行わなかったものであるらしい。インフルエンザなどを理由とした追試験は当初より出願していた学校でのみ希望できるが、募集人数はおおむね1名か2名である。人数は2月21日の入試当日の欠席者数などから一定の数式によって算出されるが、募集が1名あって応募が1名のみでも合格するとは限らない。広尾では募集2名に対し応募4名であったが合格は1名であった。調布北は唯一3名の募集があったが、これは当初の入試当日のインフルエンザなどによる欠席が多かったためである。

 いずれにしても1名でも欠員が出れば二次募集を実施しなければならないというのは、合格者数を決定する際に都立高校の側には大変なプレッシャーであることは想像に難くない。なお、本年度から従来一部の高校で行われていた「分割募集(当初の学力検査による選抜と二次募集日程の二回に、初めから募集を分ける方式)」は廃止となった。